こどもと斜視の眼科医ブログ

小児眼科と斜視を専門に診療している眼科医のブログです

弱視ってなに?

私たちはものを目で見るのではなく、脳で見ています。

目で受け取った情報が信号に変えられ、その信号が脳に送られて、脳は見たもののイメージを作り出します。

 

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視力は、生まれてからものを見ることで発達するものです。

視力の発達ってつまり、脳の発達なんですね。

 

小さい頃に目で受け取る情報があやふやだったり、情報が来ないと、脳で見る力が伸びません。

この、見る力が年齢相応に伸びていない状態が弱視です。

 

弱視の主な原因を以下にまとめます。

・ピンぼけ

強い遠視や乱視のために目がピントを合わせることができないと、見る力は伸びません。

目でピントの合った像をキャッチするために、遠視や乱視をしっかり補正するメガネをかける必要があります。

この弱視の治療のためのメガネは、お風呂・寝るとき・運動などでメガネをかけられない場合を除いて、いつもかけることが大切です。

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・遠視の左右差
遠視の左右差が大きいと、遠視の強い方の目がいつもピンぼけ状態になってしまいます。
この場合も、メガネを常にかけるということがまず第一の治療法になります。
それでも視力が上がらないようであれば、一日何時間かいい方の目を隠して、悪い方の目を使うようにするという訓練を追加します。

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・内斜視
赤ちゃんの頃から目が寄っている場合、寄っている方の目はものを見ていません。
どちらの目も同じくらいの頻度で寄るならいいのですが、片方の目ばかり寄っている場合は要注意です。

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・脳に情報が来ない
何か邪魔するものがあって、脳まで目の情報が送られてこないような場合、難治な弱視となります。
予防が大切ですから、小さい頃に目を長時間隠すようなことは絶対にやめましょう。
 
 

弱視の多くは、8歳くらいまでに治療をすれば良くなります。

ですが、弱視に早く気づいて早く治療ができればそれに越したことはありませんので、心配なことがある場合は眼科医に相談してくださいね。